紀伊國屋書店の最安値と通販商品（在庫あり/3,800円〜4,200円）

裕福なブルジョワの婦人が、自宅に隣接する公園のベンチでずぶ濡れになっている見知らぬ青年を家に招き入れ、風呂に入れて食事を与えたことがきっかけとなり、二人の奇妙な関係が始まる…。

ロンドン在住の女性児童文学作家が、ある晩正体不明の女からの不気味な電話を受けたのをきっかけに、幻聴や幻視に悩まされ始め、周囲の男性たちのアイデンティティが区別できなくなり、ついにはドッペルゲンガーと対峙する。

スロバキアの山間で農業や羊飼いを生業として暮らしている老人たちの日常生活を描いたドキュメンタリー。からくり人形作りに熱中する老人、第1次世界大戦に従軍し、数ヶ国語を理解できるという羊飼い、足が不自由なため25年間、膝を使って暮らしながら自力で家を建築した男性、ともに暮らすめんどりに聖書を読み聞かせる老人など、愛や孤独、夢、労働と人生の意義を問い、生と死についての哲学的な世界をつくりあげた。

ハリウッドの映画製作システムの原型を作った世界初の女性映画監督アリス・ギイの生涯に迫るドキュメンタリー。世界初の劇映画「キャベツ畑の妖精」など監督・脚本家・プロデューサーとして1000以上もの作品を手がけ、現在の標準的な映画製作技法を数多く生み出したアリス・ギイ。映画人や、生前のアリス自身へのインタビューや、彼女の親族へのインタビュー、フッテージ映像などを通し、その功績と人生をひも解いていく。

ひとり、カーボ・ヴェルデからリスボンにやってきたヴィタリナ。彼女は出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けていた。しかし、夫は数日前に亡くなり、すでに埋葬されていた。ヴィタリナは亡き夫の痕跡を探すかのように、移民たちが暮らす街にある、夫が住んだ部屋に留まる決意をする。そして、その部屋の暗がりで自らの波乱に満ちた人生を語り始める─。

ソ連崩壊後の旧共産主義国の都市とそこで暮らす人々の姿をとらえたドキュメンタリー。ナレーションや場所の名前をも排して、アケルマンは時折市井の人々の家庭の様子を散りばめながら、果てしない距離や文化情勢、生活様式を記録した。洞窟のような駅のホーム、カメラを見つめる人々の表情、寒空…。透徹した眼差しがその場所で確かに流れる時間と観客を近づけ、好奇心を駆り立て、映像そのものが静かに語りはじめる。

シャンタル・アケルマンが撮った最後の作品で、ポーランド系ユダヤ人である自身の母ナタリアの最晩年の日常をビデオ撮影したドキュメンタリー作品の「ノー・ホーム・ムーヴィー」と、当時18歳だったアケルマンが、ブリュッセル映画学校の卒業制作として初めて監督、主演を務めた「街をぶっ飛ばせ《2Kレストア版》」の2作品収録。

自分のエピソードを語り、去っていく老若男女。彼らは皆ヨーロッパからやってきたユダヤ系の人々だ。記憶を手繰りながら時にユーモラスに、辛辣に語られていく彼らの幸福や悲しみ、それぞれの＜アメリカン・ストーリー＞。

ブリュッセルの暑い夜、眠りにつくことのできない人々。ある者は恋人の腕の中に飛び込み、ある者は街に繰り出し、夫婦は語らい、そしてある者はバーでダンスを踊る。官能的な熱を帯びた一晩の中で連結していく、数々の出会いや別れ…。

路地、大通りを走る車、駅のホームで電車を待つ人々、地下道…。1970年代ニューヨークの荒涼とした街並みに、母の綴った手紙を読むアケルマン自身の声がかぶさる。固定ショットやトラベリングで映し出される公共のロケーションと、時折車の音に掻き消されながらも朗読される、愛情溢れる言葉の融合。都会の寂しさと、遠く離れた家族の距離がエレガントな情感を持って横たわる、映画という〈手紙〉。

美容院やカフェが並ぶパリのカラフルなブティック街を舞台に、そこで働く従業員たち、客たちが恋模様を歌い上げるミュージカル作品。

第二次大戦末期、1944年のヨーロッパ戦線を舞台にドイツ軍と戦闘を繰り広げる兵士たちの確執を描いたロバート・アルドリッチ監督初期の秀作。ノーマン・ブルックスの舞台劇『Fragile　Fox』を原作とし、敵軍のみならず、腐敗した自軍内に卑劣な敵が存在するという異色の戦争映画。

第二次大戦末期、1944年のヨーロッパ戦線を舞台にドイツ軍と戦闘を繰り広げる兵士たちの確執を描いたロバート・アルドリッチ監督初期の秀作。ノーマン・ブルックスの舞台劇『Fragile　Fox』を原作とし、敵軍のみならず、腐敗した自軍内に卑劣な敵が存在するという異色の戦争映画。

深い霞に覆われた色のない廃墟の中で男たちが蠢いている。ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニなど第二次世界大戦時に世界を牛耳っていた独裁者たちだ。煉獄の晩餐が始まると、お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己の陶酔に浸っている。〈地獄〉のようなこの場所で〈天国〉へと続く扉が開くのを待っているのだろうか…。

世界的巨匠として知られるジャン・ルノワール監督がそのキャリア初期に撮った幻の傑作。幼い王シャルル九世の下、その母カトリーヌ・ド・メディシスが政治を担っていた16世紀フランスを舞台に恋と策謀が描かれた作品。

どん底の暮らしに生きる人々が寝床にする安宿。泥棒のペーペルは家主の若妻ワシリーサと恋仲で、その妹ナターシャもペーペルを慕っていた。ある日、彼が男爵の家に忍び込むと、自殺しようとしていた本人と顔を合わせ意気投合。ペーペルと同じ宿で暮らし始める。一方でペーペルはワシリーサとの関係を断って、ナターシャと暮らすことを胸に抱いていたが、それを知ったワシリーサは嫉妬し、ある策略をめぐらすのだった…。

マルセイユに近い移民の多い街へ出稼ぎにやってきたイタリア人のトニ。彼は官能的なジョゼファに恋をするが、彼女はトニの働く採石場の監督アルベールと結婚。トニは彼に好意を寄せていたマリーと一緒になる。だがマリーはトニの心がジョゼファにあると知り、河に身を投げて自殺未遂を起こすのだった…。

世界恐慌で破産した大富豪は、サーカスで曲馬師をする女性と、彼女との間にかつてもうけた幼い息子とともに、地方巡業で暮らしを立てることに。サーカス界で成功をおさめた息子はヨーヨーという人気クラウンになる。時代が大きく変わる中、ヨーヨーはかつて父が所有していた城を取り戻そうと躍起になるが…。愛するサイレント喜劇と、幼い頃からあこがれたサーカスへのオマージュに溢れた作品。