プレイ時間約86時間1周目ノーマル難易度でクリア。最終ボスである〇〇達も討伐済みで、現在難易度リスキーで2周目を遊んでいます。その上でのレビューですのでご了承くださいませ。良かった点・音楽相変わらず素晴らしいです。元々の原曲からpq2用にアレンジされている楽曲も少しレトロな雰囲気に仕上がっておりとても今作の魅力を引き立ててくれます。初回購入特典で楽曲が9曲も付いてくるのは正直「破格」という一言で済ませられないと思います。「いつ使うんだ？このアイテム」といったような初回購入特典が他のゲームで多い中これも嬉しいところでした。・バトルバランス今作のバトルバランスの印象はノーマルでプレイしていても「やや難しい」といった印象です。世界樹や初代PQもプレイしておりますが、その中でも上位に食い込むと思います。ただ理不尽な難易度というわけではなく、しっかり頭を使い、システムを把握して自分の戦闘スタイルを見直すと、全く歯が立たなかった相手にも太刀打ち出来るようになる絶妙なバランスです。もしバトルが難しく、詰まってしまう方がこのレビューを見ている方にいらっしゃるなら「バトンタッチ」の活用やサブペルソナとメインペルソナのレベル差による補正を意識するだけで大分変わるかと思います。・シナリオ、ストーリー細かいネタバレは避けますが、「流石」としか言いようがありません。原作ペルソナや真・女神転生といったシリーズにも言える事ですがどれだけUIや難易度が好みじゃなくてもこの緻密に作り込まれた、メッセージ性の高いシナリオだけで評価に値します。沢山RPGをプレイしている私の主観でしかありませんが、シナリオにここまで拘った作品はペルソナシリーズ以外に知りません。不自然さが極端に隠された心地よい言葉回し及びテキスト。シナリオを局所的から大局的に導いていく矛盾を隠しプレイヤーを誘導する卓越した技術。といったRPGのシナリオに最も求められ、最も難しい芸当をアトラスさんは当たり前のごとくやってのけます。勿論今作もです。それだけではなく、物語を局所的に見ても伝わり易い感動やメッセージ性。大局的に観ると現代の社会構造や、その中で生きていく内に殆どの人間に植え付けられた、しょうもなく、無い方がマシといえる「価値観」に対するアンチテーゼは今作でも健在です。しかしそれだけなら他の創作作品でも見かけます。しかしペルソナはプレイヤーの見ている価値観（先）を両手で塞ぐだけではなく、新しい道を強引に示してくれます。勿論示されている道は茨城の道です。多くの人が考えるのをやめている、逃げている事から目を逸らすなと言っているのですから。それでもその道を示してくる覚悟がペルソナや真・女神転生のクオリティに直結しているんだと思います。ペルソナ5が評価され、様々な展開が行われる中で、キャラの魅力や作品のスタイリッシュな雰囲気に惹かれている人も多いでしょう。勿論それも素晴らしいんです。様々な人が手に取り易いように、惹きつけられ易いように作られていますからね。ただそれだけではなくこのゲームが自分（プレイヤー）に伝えたい事は何なのだろうと考えながらプレイするともっとこのゲームの魅力を感じられると思います。余計なお世話かも知れませんが試してみてください。不満点・ボリュームボリュームが無いわけでも極端に少ないわけでもないんです。実際放置ややり込み含め86時間掛かっていますから。ただ、これはペルソナQの時でもそうだったんですが、クリアした時にもっと遊んでたいと思ってしまいました。恐らくそれはもっと遊んでいたいほど面白かったからだとは思いますが、あと1.2個迷宮が欲しかったのが事実です。特別上映といったサブクエストも既存の迷宮を歩くのは新鮮味があまりありません。ただでさえ3Dダンジョンのゲームは閉塞感が伴うので、サブクエスト専用のダンジョンを用意してもいいのかなぁと感じましたね。世界樹4やXでいう小迷宮のような。・グラフィック勿論3dsのソフトにそこまで綺麗なものは求めていませんよ。それでも少し粗いような……キャラデザはとても可愛いんですが。・いくつかのシステム鑑定をまとめて出来るようにしてほしい。探索中持ち運べるアイテムは60個ですが物語の進行に合わせて増やしても良かった（80個くらい）最悪探索中は60個でも妥協しますが、預けられるアイテムは200〜300はあってもよかったと思います。ただでさえ30人近い人数いるんですから。そして最大の不満点はブランクカード、ワイルドカードの仕様です。簡潔に説明すると、1体のペルソナを生贄にする事で他のペルソナに経験値を与えるイケニエ合体というものがあります。そのイケニエ合体時にこのカードを使うと生贄になるペルソナから特定のスキルを継承させる事が出来る重要アイテムです。ブランクカードはサブペルソナに使用でき、さらに希少なワイルドカードはメインペルソナに使用できます。そしてこれの何が大問題かと言うとレベル99になったサブペルソナ及びメインペルソナに使用出来ないんですよ。サブペルソナに使用できないのはまだ分かります。新しく作り直すといったリカバリーは効くので。しかしメインペルソナはレベルを下げる事が出来ません。最初から始めない限りは。勿論レベル99になっても使えるというチュートリアルはありませんでしたが、逆に言うとレベル99になったら使えないというチュートリアルもとい説明は何処にもありません。しかもこの現象を助長させている要因が二つありまして、一つ目はワイルドカードの希少性からか積極的な利用を抑制する文言があったこと。そんなことを言われてしまえば、ペルソナ全書が充実して様々なスキルが抽出出来るようになったタイミングで使いたいと思うのが当たり前ではないでしょうか。そしてもう一つが成長の香というアイテムの存在です。これはキャラクター1人のレベルをメンバー内の最大レベルである「ワイルドレベル」に底上げするものです。恐らくはメンバー数が多い今作におけるレベリングの救済といったところでしょう。1週で手に入る成長の香はDLCを除くと確か12個だったはずです。結構手に入りますよね。小学生でもワイルドレベルが99になったら使った方が効率が良いと分かります。この二つの要因によって更に陥り易いキャラクターの育成不良が引き起こされます。このことに関してはユーザーサポートに問い合わせたところその情報自体開発陣に届いてなかったらしく、開発陣に必ずお伝えすると言ってくださいました。今後のアップデートで改善される事を期待して星は減らしませんが、暫くしても改善されない場合は星を一つ減らそうかと思っている次第です。最後になりますが、好みは人それぞれ違います。しかし、どのゲームの評価でもある的外れな事を言って低評価するのはたとえ既プレイでも未プレイでもやめたほうがいいですよ。例えば今作に対し、過去作知らないから面白くないだとかグラフィックがゴミすぎてやる気出ないだとかペルソナとか何処が面白いん？とかオープンワールドのような自由性が全くない！だとかそれは最早自身のニーズに合ったものを購入できていない能力の低さしかもそれに駄々をこねる幼稚さを露呈しているだけなので本当にやめたほうがいいですよ。私も合わないジャンルのゲームをプレイして満足出来なかった事はありますが、その時は合わなかったと飲み込んで自分の糧にします。勿論自分の好み以外のものを取り入れるのはゲーム以外でも大事ですが、それに人目につくレビューで大々的に文句を言うのはおかしいという事です。このレビューを見て、やってみたいな面白そうだな、私にあうかもしれないと思った方は是非プレイしてみてください。追記 12月9日また2つ程問題を発見しました。1つはブランクカードとワイルドカードの枚数が周回プレイ時引き継がれない事。もう一つはスキル「封殺の心得」の効果が発動していないバグが存在する事です。これは真封殺の心得でも同じくです。次のアップデートを待つばかりです。