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第144回芥川賞受賞・西村賢太の小説を映画化。1986年。19歳の北町貫多は、明日のない暮らしを送っていた。ある日、職場で新入りの専門学生・日下部正二と知り合い、友達と呼べる存在となっていく。ある日、古本屋で店番をしている桜井康子に一目惚れした貫多は、日下部の仲介によって彼女とも友達になるのだが…。森山未來、高良健吾、前田敦子ほか出演。

突然亡くなった恋人の部屋で3人の女性たちが鉢合わせ。元ヤンでシングルマザーのマロン、セレブな医師・さな、美貌を武器に受付の仕事をしている野心家の真弓。異なる個性の3人と彼は同時につきあっていて、亡くなる直前、それぞれに「帰ったら大事な話がある」と留守電を残していた。3人は我こそ彼に最も愛された女だと主張をはじめる。女たちの壮絶なマウント合戦の結末は…。

お澪は大阪、船場の回漕店兵庫屋の娘として暮らしていた。ある日、お澪と許婚の柵次は困っていたお篠を助け、その縁でお篠はお澪の許で暮らすようになった。お篠の父で零落した士族・宅間鉱平は、妻・おそよと生活を手内職に求めて細々と暮らしている。柵次はおそよがお澪の生母であることを知り、お澪と会わせるが、お澪はおそよに冷たい態度をとる。そして血を分けた妹だと知ったお篠を家から追い出し、柵次に託すのだった…。

先生の誕生日に栄子とみつるは二人の名前を入れた刺繍を贈ろうと約束をした。しかし、栄子がフランス人形を二人の名で贈ろうと思い立ったことから、みつるは栄子が自分だけ良い子になろうとしたのだと思い込み、二人の仲は破れる。栄子は学校をやめて舞妓として働くことになり、二人は離れ離れになる。ある日、病で臥せていた栄子はみつるの兄が招集されたことを知った。栄子は、みつるのために千人針を求めて街へ出るのだった…。

広部は恋人・弥須子を病気で失った。広部は自分の腕の中で冷たくなっていった弥須子を忘れることが出来ない。霊安室で看護婦に渡された櫛が形見だった。その後、広部は柾子と付き合い始める。柾子は離婚が決まっていて、夫の矢沢はあけみと同棲していたが、あけみは多情な女で、嫉妬心を煽られた矢沢は柾子との関係を修復しようとする。しかし、柾子は矢沢に殺されそうな気がすると言って、広部のアパートにやって来た…。

森の中の小屋に集う、幼馴染のマナ、ナナミ、ユカ。いつもと変わらぬ風景。山も川も、樹々の間から降り注ぐ日の光もいつもと同じ。バーベキューで肉を焼き、大好きなお酒を飲み、ハンバーガーを奪い合う。音楽を掻き鳴らして楽しく踊る三人だが、ふと不穏な空気が見え隠れするのだった。その後、三人のもとに大きな飛行機の音が近づいてきて、「早く逃げなさい」と叫ぶ自衛隊員とすれ違う。果たして、彼女達が見せる選択とは…。

浜田真紀は新井国秀と恋に落ち、2人の仲は徐々に深まっていく。しかしある日、国秀から自分は在日韓国人3世であると打ち明けられる。突然の告白に動揺する真紀。その瞬間から2人の関係は少しずつ変わってしまったのだった。真紀の母の上京や、真紀の祖父が営むミニシアターの炎上騒動に真紀の心はふさぎ込んでいく。真紀の不用意な言葉に傷つき、去っていく国秀。真紀は自分の差別心と戦い、国秀と向き合うことが出来るのかー。

松村大地は無心に検索画面に言葉を打ち込み続けている…。彼は3年前に最も愛する家族を突然の見知らぬ狂気によって奪われてしまった。幼い娘を手にかけた犯人、いたずらに家族を責め立てて妻を追い詰めたマスコミや野次馬への憎しみ。何よりも2人を守れなかった自分に対する抱え切れない自責の念。時と共に簡単に忘れられ風化していく事件。余りにも深い孤独の中、彼が今も生きる理由とは。大地はまたフラフラと街へ歩み出す。

コロナショックの煽りを受け、勤めていた自動車工場から派遣切りにあう森下孝志。再就職先が見つからない森下は、妻・晶子の両親から責められ、ついには晶子からも離婚を切り出される。娘の桜に会うため、養育費を貯めようとする森下だったが、離婚後もなかなか職が見つからず、会社の借り上げ住宅からも追い出され、仕方なくトランクルームで生活し始める。

熊野遥風は、家族と価値観が合わず、大学進学を機に実家を飛び出し、ベンチャー企業で活躍。しかし、パワハラを理由に退職に追い込まれてしまう。自ら事業を立ち上げて見返そうとするが、資金の工面に苦戦。母の訃報をきっかけに実家に戻った遥風は、3兄弟に実家を売って現金化することを提案する。興味のない姉と、断固反対する兄と弟。野望に燃える遥風は、家族を実家から追い出すため、「家族自立化計画」を始める-。

12歳の時に病気で片脚を切断し、入退院を繰り返して中学校の卒業式にも参加できなかった音羽。クラスメイトがサイプライズの卒業式をして、その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。義足の女子高生モデルで一時的に注目されるも、その後の仕事は義足を隠したものばかりだった。義足をもっと押し出していこうと決める音羽とマネージャー・唯。やがてファッションショー出演のチャンスがやってくるが…。

ラーメン屋「小川食堂」を営む父と妹の所に、音信不通だった長女・正実が突然帰ってきた。戻って早々厨房に立つ妹・仲良に「おめえなんかにお母ちゃんの味は出せねえ！」と言う始末。東日本大震災で行方不明になった母の代わりに父が店を継ぎ、仲良は病気がちな父を助けて厨房に立っていたのだ。姉妹の衝突が続いたある日、父が倒れ入院することになり、正実は「小川食堂」が町の人たちの大切な場所になっていたことに気づく…。

ある日、居酒屋で知り合う若い女性モモと、40歳の男性トウドウ。夜の街を手をつなぎ、「靴が鳴る」を歌いながら歩く二人はやがて互いを求め合い、身体を交わす。翌朝、昨晩の記憶をたどりながら「道行みたいだね」と語るトウドウ。その言葉の意味を理解したモモは黙って彼に泣きつく。それぞれに辛い過去を持つ二人は海を目指して、この世界から逃げる事にする…。R-15

画家のナズナは、恋人のキタムラとの壮絶な生活に精神のバランスを崩して、キタムラの元から逃亡する。出版社に務めるコタロウの部屋に逃げ込んだナズナは、そのままコタロウと生活を共にする。花や草を愛する優しいコタロウの愛に包まれてナズナの気持ちも落ち着きを取り戻していく。しかし、コタロウの務める出版社が潰れて収入がなくなった事により徐々に二人のささやかな生活にも、亀裂が生じ始める…。R-15

政府の失政を隠すマスコミの煽りによって市民の不安と恐怖が高まる中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一は妻を連れ故郷の福田村に帰る。関東大震災後、流言飛語が飛び交い混乱が広がり、新聞社は情報の真偽を確かめるために躍起となるが、実体はつかめず。震災後の混乱に乗じて亀戸署では社会主義者への弾圧が秘かに行われていた。偶然と不安、恐怖が重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる-。PG12

80年代の社会現象を起こしたパンクバンド「ガンズ」。人気絶頂の中、メンバーのハルが傷害事件を起こして活動休止となる。そんな彼らが30年後、再結成へと動き出す。躊躇いながらも、音楽に居場所を求めようと参加を決めたハルだったが、空白期間を埋めようとするメンバーたちの音も不協和音にしかならず、焦りは徐々に自分自身を追い詰めていき、以前のように酒と女に溺れていったハルの視線の先に見えてきたものとは…。

斜陽の一途にあるピンク映画業界。栩谷は監督だが、もう5年も映画を撮れていない。梅雨のある日、栩谷は大家から、とあるアパートの住人への立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関は、かつてシナリオを書いていた。映画を夢見たふたりの男の人生は、ある女優との奇縁によって交錯していく。R-18

むっちゃんとグリコはなんでも話し合う仲。ある日、グリコの元カレ・モーが現れ、復縁を迫られる。グリコはライブで旧知のベンジーと再会し、同行していたむっちゃんはベンジーに一目惚れしてしまう。一方、ベンジーは久しぶりに会ったグリコに惹かれていて、グリコも久しぶりに会ったベンジーに惹かれている。複雑にこんがらがってしまった恋の矢印を整理するためにむっちゃん、グリコ、ベンジー、モーが一同に介するのであった。